毎年この時期になると、年長児から「ランドセルを買ってもらった」とか、「お家に勉強机が届いた」という話を聞きます。幼稚園に入園する時は、幼児本人にとっては訳の分からぬままに・・・という感じだったのでしょうが、年長児においては「小学校入学」ということが明確に認識されており、人生初の大きなエポックを楽しみに、そしてちょっぴりドキドキしながらも待っているところです。
ところで、3月31日の午後11時59分59秒まで幼稚園児だった子が、4月1日になった瞬間に小学生になる訳ではありません。やはりそこには「準備」ということが必要です。
一般に小学校入学準備と聞けば、つい「お勉強の準備」と考えがちです。確かに殆どの小学校の先生方は「平仮名や数字の読み書きは出来るもの」として、入学式の翌日から授業が始められます。本園でもその程度のことは、当然のこととしてマスターするよう指導計画を編成していますが、実は「お勉強の準備」以外のこと、特に次の三つのことが、もっと重要だと考えています。
①先生の話を静かに聞いて、理解し、行動に移すことが出来る
②自分のことが、自分で出来る
③初めて出会う友達とも仲良くなることが出来る
この三点については、幼稚園でも力を入れて指導して参りましたが、②については各ご家庭でのお子様に対する接し方も、大きな役割を果たします。
例えば、毎朝お子様は自分で起きて来ていますか、それとも「早く起きなさい。幼稚園に遅れてしまうよ」の連続でしょうか?今は遅い時間帯のスクールバスを利用している場合、小学校に行く際は今より1時間以上早く起床しなければならないケースもあります。
園児でも五歳を過ぎて毎朝母親が起こしているようでは、過保護と言われても仕方がありません。そこでお勧めするのが、目覚まし時計です。「もうすぐ小学生(大きい組さん)だね。明日からは自分で起きるようにしようね」と約束させましょう。
小学校に入れば授業の始まりも、休み時間の終わりも時計を見て判断しなければなりません。時計の読み方をマスターするためにも、目覚まし時計は便利です。
ただしデジタル時計ではなく、針と数字が並ぶ普通の(アナログの)時計にして下さい。時計が読めるということは、ただ時刻が言えるということではなく、時間の経過が身体的(視覚的)感覚、例えば秒針が一周すると1分、分針が8から9に行くまでが5分、30分とはちょうど1時間の半分、などとして身に付くようにしましょう。
私の知人の家では小学生以降、一度も朝起こさないことで、親に頼らない子どもになり、そのままのペースで成人したということです。参考になるお話ではないでしょうか?