ご入園、ご進級おめでとうございます。本年度もよろしくお願い致します。

可愛いタレントさんが(私は殆ど名前を知りません)「うちのママがいつも・・・」と話していると、それ以上その番組を見続ける忍耐力がありません。
まあタレントとして、そういうキャラを売りたいのかもしれませんが、意外と成人しても両親をパパママと呼んでいる人が多いのかもしれません。(本園の先生方の中にいたらどうしよう)
家庭内のことですから、私が余計なことを言っても仕方がないのですが、大人になってもそんな習慣が根強く残っていると、肝心な時にポロリと出てしまうものです。そして、私のような中高年からは「この人は、いい齢をして・・・」と、思われてしまいます。

このように脳に深く刻まれた情報は、簡単に消去することが出来ません。仮に「もうあなたも中学生なんだから、パパママは止めて」と言っても、なかなか直らないでしょうし、小学1年生になるタイミングでも、結構難しいかもしれません。
そもそも音声学上、最も発音、発声し易い音声は「ア」であり、口を閉じた状態でア~と言いつつ口を開けば「マ」か「パ」になります。だから赤ちゃんは、誰かから教わった訳でも
なく、生命維持に必要な母乳を与えてくれる人を「ママ」と呼ぶようになり、身近な男性を「パパ」と呼びます(と大昔に大学の音楽の授業で聞きました)。日本でも昔から食べ物のことを、幼児語で「マンマ」と言いますね。

大の大人は論外として、子ども達はいつまでに「パパママ」を卒業したら良いのでしょう。私の結論から申し上げれば、三才前後かなと思います。
だからといって、現在パパママを使っている子どもに対して「園長先生がパパママは卒業しなさいと書いてあったから、今日から私のことは『お母さん』と呼びなさい」と、子どもに強要しないで下さい。他の幼児語や、幼児音(例えば、スズメをチュズメなど)を治すのと同じで、子どもに言い直しさせずに、その場で親(大人)が正しく言うようにします。


子「ママも食べる?」
親「うん、お母さんも食べる」

ポイントは、親が幼児語を使わず、正しく話して聞かせることです。「マンマ食べよう」→「ごはんを食べましょう」、「ママにちょうだい」→「お母さんにちょうだい」etc.

幼稚園では先生方に、可能な限り正しい日本語を使い、美しい日本語を教えるようにお願いをしています。何故なら、幼稚園には国語の教科書が無く、先生方の口から出る言葉が、子ども達にとっての教科書になるからです。ついでに申しますと、先生や親の態度や行動が、子ども達の「道徳」や「修身」の教科書(お手本)です。
幼い子どもには「反面教師」という概念は理解出来ませんので、あしからず!