毎年のことながら、二学期は行事が続きます。運動会、バス遠足、かわいいお店屋さん、展示会。そしてマラソン大会や、お餅つき、クリスマス会などがあり、終業式となります。準備する先生方は大変ですが、子ども達にとっては楽しいことの連続で、さぞかし幼稚園生活をエンジョイしていることでしょう。
十月のあかつきノートのお返事では、運動会のご感想が多く書かれていました。そして、「感激した」、「感動的だった」というコメントが、例年以上に目につきました。大変有り難いと思うと同時に、子ども達と先生方の頑張りが、保護者の皆様の心に届いたようで嬉しく感じました。(リレー競技で周回遅れのアンカーの園児と園長が一緒に走ったのが良かった、というコメントもありました。コケずに完走出来て良かったです・・・汗)

さて先日、全日本私立幼稚園連合会が開催する全国園長研修会が、北海道の旭川で行われました。平成27年度から幼稚園に関する国の制度が大きく変わります。この大会でもこのことに関しての報告や、発表が多くの時間を占めました。ところが具体的な内容は殆ど明示されていません(と言うか、決まっていません)ので、現場を預かる私達としても具体的にどのような準備を進めたら良いのか、暗中模索というところです。
しかし、幼稚園が突然なくなってしまう訳ではありませんし、先述した運動会の事例のように、保護者(地域)の皆様からの信頼や、ご支援こそが幼稚園が存続していくための大きな拠りどころです。「やっぱり幼児教育は、幼稚園だよね」という声を、数多く頂けるように、これからも精進して参ります。

 そんな重苦しい雰囲気の研修大会の中で、ご当地の有名スポットである旭山動物園の園長である坂東 元先生の講演は、一服の清涼剤(我ながら古い表記だな)のようでした。「伝えるのは生命の輝き」と題するお話の中で、このようなエピソードがありました。
 動物園が現在のような賑わいを見せるずっと以前、施設は老朽化し来場者も減少していた頃、ある親子がアザラシの展示場の前にいました。子どもは熱心にアザラシの様子を観ていて、なかなか動こうとしません。親はしびれを切らし、こう言います「ほら次に行こうよ。ただのアザラシだよ」と。
 子どもは興味津々で観ている所に、大人の価値観である「ただのアザラシ」を押し付けてしまえば、子どもも「ただのアザラシ」という観念をもってしまいます。このようなことは動物園だけでなく、日常の中でいくらでもありそうです。親や先生の発言は、よくよく気を付けなければいけませんね。
 旭山動物園では、出来る限り動物を解放し、個体がもつ本来の姿が現れるようにと様々な配慮がなされています。管理した方が飼育する人も楽だし、動物の事故も圧倒的に少ないのでが、人の手間や多少のリスクは覚悟の上で運営を行い、その成果は皆様もよくご存じの通りです。私は動物と「子ども」を置き換えて考えてみました。さて現状は・・・。